人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Wine and more

昨年、飲み仲間に誘われて受験をし、さすがに受かるだろうとおもってたら二次のテイスティングで落ちるという大失敗をして、2年がかりになっちゃったワインエキスパート試験(ソムリエ試験などと、サービスの実技がない以外は基本同じコンテンツなのですが、ビジネスには役にたたない、単なるのん兵衛の証。笑)を今年はパスしたので、ワインの話。

Wine and more_a0225690_941517.jpg


これはオーパスワン。きれいに整備されたワイン畑。



ワインをまともに飲み始めたのはアメリカに行ってからで、過去6・7年くらいの話だと思う。
それまでは甘口のカクテルのほうが好きだったし、ワインは「白ワインなら飲む」という感じで、渋くて重い赤ワインとかぜんぜん飲めなかった。
それがアメリカに行ってきづいたこと。ちょっといいバーにいっても、カクテルが水っぽくてまずい。笑。観察していると作り方が本当に雑である。日本のバーテンさんのあの芸術的なカクテルとか、特殊な文化だったことをしる。
あちこち、試した挙句、どうも栓をしてあるもののほうが安全だ、という結論にいたる。栓をしてある酒、すなわちビールもしくはワイン。(まあ、今になってみれば、ウィスキーとかいう選択肢もあるが)
ビールはおなかいっぱいになっちゃうのでいつまでも飲み続けられないし。
そもそもナパバレーから車で1時間のサンフランシスコに住んでいるわけで、観光に来た友達の付き合いでワイナリーめぐりをすることも増える。
自然とワインを飲むようになった。

Wine and more_a0225690_9422715.jpg


ジョセフ・フェルプス。これもNapa.ここも好きでよくいった。行く度に値段が上がるのは残念だが。笑

最初はTrader Joe'sの2 buck Chuck (アメリカのスーパー、Trader Joe's の人気製品で、各ぶどう品種のワインが2ドルというお値打ち製品。 あの価格であのクオリティをだせるワイン、ほかにしらない。品種別の特性を覚えたい、とかであれば、あれを毎日3種類ずつくらいちょっとずつ試すのはすごくよいと思う)とかつつましくのんでたわけだけど、当時、周りは自分よりちょっと大人でグルメな人が多かったので、ホームパーティーなどでおいしいワインをちょっとずつ教えていただくようになり、連れ立ってしょっちゅうNapaにいくようになり、Napaにあきたらず、ソノマ・アレクサンダーバレー・セントラルコーストとどんどん活動範囲を広げていった。
今でも覚えてるのだけど、自分で始めてワインをたくさん買ったのは、Anderson ValleyのEsterlinaにいったとき。(当時のブログ
ホスピタリティが本当によくて、ワインのことを生き生きとかたってくれて、テイスティングは無料なのに気前よくじゃんじゃんサーブしていただいて、冷涼な気候でつくられるピノノワールは本当においしくて、みんなでもちよったピクニックご飯がおいしくて、空が真っ青で、風が気持ちよくて。
そのあたりから、自分でもワインを買い集めることをしはじめて、2008年に帰国する直前は3週間連続でワイナリーめぐりをしたし、かなりの数のストックが家にごろごろしていた。
(ワインの分の引越し代も現勤務先に結果的に持っていただいたのは、ちょっと頭が上がらないポイント。笑)

サンフランシスコ時代はアメリカワイン一辺倒だったのが、日本に帰ってからフランスワイン、特に友人の影響で、ブルゴーニュのすばらしさを知る機会が増え、夏休みにフランスまで行ったときはわざわざいくつかのドメーヌをおとずれてみたりした。
ナパやソノマもそうなのだけれど、実際に行ってその土地の様子をみたワインには、愛情が強くなる。ああ、この美しい土地でワインができるんだなーと。

Wine and more_a0225690_9435934.jpg


ロマネコンティの畑の前。有名な十字架を探して畑の中で迷子になった。。。

そうやってもう少し見識を広げたいなあ、というところで友人に誘われてワインスクールに通い始め、その延長で試験を受けてしまうことになった、、、のが冒頭のいきさつ。
筆記試験とテイスティングの2回に分かれている試験で、筆記試験自体は昨年合格した。1年繰越が可能なので今年は免除されており、昨年の記憶だが、結構味気ない暗記の連続。ドイツの畑の名前を覚えるのとかイタリアのDOCGの丸暗記とか、結構きついものがあった。
とはいえ、勉強していると、自分がそれまで知っていたのがどれほど、広い世界の一部のワインであったのかを知った。
体系的な知識を得て、ああ、世界のここにも自分の好きそうなものがあるんだ、ということや、こういうお料理にはこういうワインが合う、こういう気分の時にはこういうワインがいい、という基本を知れたのはとてもよかった。
これは知ることは人生を豊かにする、という典型的な話と思う。

Wine and more_a0225690_9494061.jpg


イタリアはポルトフィーノにて。こんな幸せな瞬間。

あと、この数年間の「ワインのみ」生活でよくわかったことが、私は結局ワインを飲むオケージョンを楽しんでいるのであって、けっしてワインそのものの味だけを楽しむタイプではないということ。
日本にいたころ、御呼ばれして、ちょっと高い会費を払ってワイン愛好家だけで高いワインを楽しむ、という集まりにもなんどかいった。
いったんだけど、そういうときに飲んだワインを実はあまり覚えていない。特別に飲ませていただいたロマネコンティですら「ああ、香りがすっごいつよかったなー、おいしかったなー、エレガントだったなー」というところ。ワインで人生が変わる、という人も、周りの愛好家のかたには結構いるのだけど、私はそこまで感受性が強くないのか、まだ出会っていないのか。。。

(あとその手のワイン会って、ほぼ一人で一本あける計算になり、そこまでの量を飲めない私にはかなりしんどいイベントになるのと、開始時間がなぜか平日の7時半とかからで参加が難しかったこともある。あの、高級ワイン会に週に2-3回のペースでその時間から参加し、平日ゴルフにいったりしていた人たちの職業は、今もって謎である。)

結局、よく知らない人たちとただ美味しいものをいただくより、そこまで高価なものでなくても、自分の親しいひととわいわいしながらとか、しっとり話しながらとか、飲むほうがわたしは好き。
一人で家で飲むこともあるけど、それもよいことがあったときとかに、いいワインを一人でいただくとか、あまりにも夕焼けがきれいだから少し飲んじゃえとか。
ワイン単体より、その場での親しい人との会話や、その場の空気とあわせて、ワインという飲み物を私は好きなんだと思う。
というわけで、今以上に何かのワインに凝ったりすることは、私はなさそうであり、たぶんこのまま、いろんなワインを人生の楽しみの一つとして味わっていくのだと思う。

自分に知識がついてよかったのは、一緒に飲んでいる人が、このワインすきかな、おいしいかな?と思いながら選んだものを喜んでくれるとき。この前こういうのおいしいって言ってたから、これは好きだろうな、とか、あまり飲まないひとだけどこれなら好きじゃないかな、とか。

Wine and more_a0225690_9444613.jpg


夕方のシャンパンとマカロンを素敵なホテルでのんびりしながらいただくとかは、一人遊びとしてはとても好み。

ちなみに、香港も各国のワインが手に入りやすい。中国の高級ワイン市場はいまだに活況で、高級ワインのオークションの世界の50%ちかくは香港ではけている。そんな高級ワインにそんなに縁はないけど、グラスワインが豊富なお店が多く(香港人、一般的にあまりのみません)、あとレストランでもちこみOKなところがかなり多いのがありがたい。

Wine and more_a0225690_952489.jpg


空港で飲むワイン。機内を仕事時間とするか休息時間とするかの難しい判断。笑 これはホーチミンの空港。ベトナムはフランスワインが本当によくそろってた。

Wine and more_a0225690_9522996.jpg


試験合格のお祝いは、Calera Jensen 2005 で。
ロマネコンティの苗をこっそり運び、人工衛星で同じ土壌を探したとうわさされるカリフォルニアのワインだけど、一応ワイン会でロマネコンティを飲んだことある私に言わせれば、別物。ロマネコンティがどこまでもエレガントな、舞踏会でドレスアップした妙齢の美女とすれば、こちらは味わいに土臭さがのこり、かっと照りつけるドライなセントラルコーストの日差しを連想させる、力強いピノノワール。カリフォルニアの太陽に日焼けした、健康美人というところ。私はとても好きなワイン。
by lat22n | 2012-10-28 09:47 | Think


Tokyo - San Francisco - Tokyo - Hong Kong


by lat22n

カテゴリ

全体
About
Hong Kong
Think
Eat
Read
Japan
China
Travel
Career
未分類

最新の記事

Next destination
at 2014-10-19 16:21
Last visit
at 2014-03-16 13:16
Hatching Twitter
at 2014-02-24 23:04
Happy New Year
at 2014-01-01 18:39
Leaving Hong K..
at 2013-12-23 20:30

以前の記事

2014年 10月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 03月
2013年 02月
2012年 12月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 02月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月

最新のトラックバック

検索

フォロー中のブログ

ウォールストリート日記
From Mayfair

外部リンク

過去ログ

その他のジャンル

記事ランキング

ブログパーツ